SS【あなたが決して口にしない言葉を俺は待ち続けているのだけど その雄弁な瞳さえあれば何年でも待っていられると今日こそは思った】

わんわんディですね。

この度皆さまご存知のあのお方とコラボさせて頂けることになりました!そのお相手とは・・・

防腐剤FREEの六条さまです!

詳しい経緯は六条さまのお宅でも紹介していただいているかもしれませんが、こちらでも簡単に書かせていただきますね。それは1ヶ月ほど前のある日・・・

私は鼻歌を歌いながら某所に遊びに行きました。そこでは六条さん、李桃さん、あ〜るさんがオトナの話で盛り上がっていらっしゃいました。

李  「好きな体位は敷き小股(・∀・)」
六あソ「ええぇ!Σ(Д゚;/)/(何その大胆発言カッコイイ!)」
李  「シャーベットよ、敷き小股をネタに一筆書くが良かろう。我がひとこと言えば、おくされさまがイラストを描いて下さるのだ(´、ゝ`) フッ」
ソ  「マジですかヤらせて下さいお願いします!!(;´Д`)ハアハア」
    ↑2ヶ月ぶりの森永くん並
六  「ちっ、仕方ないな( ̄д ̄)チッ」
    ↑ツンデレ
あ  「 元気ですかーーーっ?!1、2、3ヾ(o´ω`o)ノ」
全員 「ダーーーーーッ!!!o(`・д・´)ノ」
………みたいな。

そんなどさくさに紛れて素晴らしいイラストをいただくことに成功いたしましたΣd(゚∀゚)一応文はワタクシということになっていますが、内容についてもかなりご相談させていただき、ほぼ合作です。イラストは丸投げです(・ω<) テヘペロ
とりあえず私からは「背骨」。これをお伝えしておくに留めておきましょう。では続きをどうぞ〜





あなたが決して口にしない言葉を俺は待ち続けているのだけど その雄弁な瞳さえあれば何年でも待っていられると今日こそは思った



「先輩」
 息を切らし、森永は玄関に駆け込んだ。鞄を放り出し、靴を蹴るように脱ぎ捨てる。普段一足だけ出しているスニーカーは三和土に見当たらなかった。いつものようにソファを背もたれにノートパソコンを開いている宗一を希求してリビングに飛び込む。
「先輩」
 はぁ、と大きく息が漏れた。リビングを一瞬で見渡すとすぐさま宗一の部屋の前に立ち、ドアをノックする。返事も待たずにノブに手をかけたが、手応えなく開いた扉の向こうはやはり無人だった。今朝森永の用意していった昼食を食べた形跡はある。飲み物やタバコをはじめ、例えば宗一が買いに出掛けようと考えそうなものは切らしていない。

 洗面所、手洗い、森永の部屋。順に確認し、森永はドアを開けたまま自室で立ち尽くした。今日は祝日で大学は休みだが、S製薬は出勤日だった。もし……もしも森永の不安が的中しているのなら。彼にとっては絶好の機会なのではないか?
 うまく回らない頭に浮かぶ記憶の断片。ロックのかけられた携帯電話、かけ直されないワンコールの着信。嗅ぎなれないシャンプーの香り、さりげなくかわされる腕。疑いながらもどこかであり得ないと思っていたはずだったのに、今や全てがただ一つの答えを指しているように思える。

 玄関から鍵をガチャガチャと回す音が聞こえ、森永は急に現実に引き戻された。ドアの開く音とともにおかしーな、とひとりごちる声が届く。森永は内から鍵を掛けなかったので、不審は当然だ。弾かれたように廊下に飛び出した森永に、靴を脱いでいた宗一はぎょっとして壁に張り付いた。
「森永?!おまえ仕事は」
「どこに行っていたんですか」
 森永は質問にも答えず、宗一に詰め寄った。声が低くなっているのは自覚できる。だが自分がどんな顔をしているのかはわからなかった。
「あ〜ちょっと、そこまで」
 宗一は誤魔化すように顔を逸らした。身動いた拍子に立ち昇ったのは、この間から幾度か嗅いだラベンダーの香りと、いまだ冷めやらぬ湯上りの気配。
「そう……楽しんできましたか?」
「え?」
 後ろ暗いことがなければ、こんな言葉で動揺はしないだろう。そう、今宗一がぎくりと身じろいだように。
 決定的だ。森永は震える手を伸ばした。怒りがどす黒く目の前を染め、嵐のように逆巻く。

「森永?」
 いくぶんか心配そうな宗一の声音は驚愕に変わった。森永の手が宗一の肩を掴み、廊下に引き倒したからだ。吹き飛ばされた眼鏡が軽い音を立てて床を滑った。
「い……ってえ!何する!」
 後頭部と背中をしたたかに打ちつけ、抗議をしようとした宗一は、森永の表情に言葉を飲み込んだ。ぼやけた視界にもはっきりと、その険しさが見て取れる。森永は無言のまま、乱暴な手つきで宗一のカットソーを首元まで捲り上げた。触れられるのかと宗一は身構えたが、予想は外れ、森永は胸を一瞥するとベルトに手をかけた。
「おい!」
 宗一の抵抗を意にも介さず、ジーンズのファスナーを下ろすと細い身体をうつ伏せに返す。
「痕は付けられてないみたいだけど。背中は?」
 背中も検めると、森永は宗一の腰に膝を乗せたまま、舌打ちして煩わしそうにスーツの上着を脱ぎ捨てた。宗一は匍匐前進で逃げようとしたが、素早くネクタイを解いた手がその肘を攫った。後ろ手に回された手首をネクタイががんじがらめにする。

シキコマタ1

シキコマタ2

「おい待てって!」
「こっちは?」
 自由を奪われた身体から、更にジーンズと下着がいちどきに剥ぎ取られた。前に回った腕が宗一の腰を持ち上げ、尻を高く上げた体勢で膝を立たせる。唾液で濡らしただけの指がずぶりと後孔にねじ込まれた。
「やめろって……この」
「さっきしたばかりってわけじゃないんですね」
 指は無遠慮に内部を荒らす。宗一は森永からこのようなぞんざいな扱いを今まで一度も受けたことがなかった。情など感じられない、機械的な作業。
「まさか女じゃないよね?先輩は前だけじゃもう、満足できないでしょう」
「さっきからなんの話だ!!」
「もう中まで触らせてるの?他の男を受け入れてるの?……そいつ殺してやる」
「もりっ」
 森永は何か完全に思い違いをしている。宗一は振り向いて口を開こうとしたが、その途端突き込まれて息が詰まった。力ずくで押し広げられる痛みから、反射的に逃げようと前に体重をかける。すると突然腰を持ち上げていた腕が解かれ、宗一は勢い余って床に倒れ込んだ。

「……っ!」
 咄嗟に顔を庇ったため、肩を強く打った。床で擦られて熱を感じる。たたみかけるように手首ごと背を押さえつけられ、腿を膝で挟まれて、びくとも動けない。
「どうしたんですか。よそでもしたいくらい、好きなんじゃないの?」
 森永は宗一を組み敷いたまま、身勝手に腰を動かしてくる。宗一は痛みを逃がそうと、努めて呼吸を深くした。眉根を寄せ、必死に力を抜く。お互い馴染んだ相手だ、集中さえできれば勝手に身体は開かれていく。
「く……ぅ、ん、はっ」
 滲んだ涙と汗で頬が滑る。震える息を飲み込むようにして目を上げてみても、視界に入るのは廊下と、薄く開いたリビングのドアだけだった。黒い髪も耳も肩も見えやしない。
「なんで黙ってるんですか。言い訳くらい、すればいいのに」
 少し動きを緩めると、森永は脇腹から手を突っ込んで宗一の下腹をまさぐった。だが宗一の努力も虚しく、苦痛を凌駕する熱は得られていない。それは森永の期待とも外れていただろう。
「もうオレじゃ感じないって、そういうわけですか」
 涙声で責めたてる様はまるで子どもの癇癪だ。こんなやり方でその気になるもんかと言いたいところだが、今の森永に何を言っても無駄だと思う。まともに口が動く気もしなかったが。
「先輩がそんな、平気な顔して嘘つける人だと、思わなかった」
 森永の声が上擦る。頂点が近いのだ。上体が覆いかぶさり、荒い息が首筋に触れる。宗一は肩に歯が当てられたのを感じ、次に続く痛みを予感して小さく怯えた。
「い……っつぅっ!」
 森永の身体が強張った一瞬、ぎり、と歯に力がかかった。強く肉を噛まれて涙が浮く。間違いなく痣になるだろう。
 激情とともに全てを吐き出すと、宗一の耳元でまだ乱れている呼吸に嗚咽が混じった。
「うっ……」
 森永は泣いていた。涙をぼとぼと落としながら、先ほどは噛みついた首に縋りつく。
「せんぱい……嫌だ……いやだ、俺を捨てないで」
ここまで一方的に思い込めるのは、ある意味すごいかもしれない。宗一は深く、ため息をついた。

「とりあえず抜けって」
 宗一は唯一自由がきく膝を曲げ、自分の上にうずくまる森永の尻を踵で蹴った。森永が案外大人しく腰を浮かせたので、腹に力を入れて身体を横に向ける。腿を伝う生ぬるい感触に、思わず顔が歪んだ。横たわったまま見上げると、思い込みの激しい男はこの世の終わりのような顔をしていた。
「なんかわかんねーけど、絶対勘違いだ。なんだってんだよ。言えよ、ほら」
 宗一が足先で腹を突いて促すと、森永はしゃくりあげながら、とつとつと訴えた。

 最近、宗一が急に携帯電話にロックをかけるようになったこと。先週末二人でテレビを見ているとき宗一の電話がワンコール鳴って切れたが、画面をちらと見ただけで掛け直さなかったこと。極めつけは外で風呂に入っている気配があること。
今日昼食を取りに行った店でたまたま放送していた情報バラエティ番組を見て森永の顔色が変わったのは、それらが浮気の兆候TOP5に挙げられていたからである。気になって電話をすれば宗一は出ない。悪い予感に追い立てられて早退してくれば姿が見えない。森永の留守を狙ったかのように外出し、今もラベンダーの香りを漂わせている。

「おまえは本っっ当に馬鹿だな」
 宗一はもう一度ため息を落とした。そんな理由でこんな暴行まがいの扱いを受けるとは。怒る気のしない自分がまったく信じられない。
「ロックは大学から教職員全員かけるように通達があったんだ。よその学部の准教で、テストのデータかなんかを入れたケータイ落とした奴がいて。ワン切りはかなこだよ」
「かなこちゃんのとき、いつもすぐ出るじゃないですか」
「最近かなこがケータイ変えたの知ってるか?」
 森永は話が思わぬ方向へ向かうのに戸惑い、ただ首を振った。実際その話は初耳ではあったのだが。
「番号はそのままだがキャリアを乗り換えた。学割とか、料金プランの関係で向こうからかけると通話料が高いんだな。勿体ねぇから緊急時以外は着歴残せと言ってある。先週のは番組がなかなか面白かったろ。中断したくなかったんだよ」
「じゃあ…じゃあ風呂は?一体なんで」
「あー…くっそ、これ言いたくなかったんだよな」
 言わずに済まないものかと間を置いてみたものの、森永は食い入るように続きを待っている。宗一は舌打ちをすると、渋々口を割った。
「これもおまえは知らんだろうが、最近大学の近くに風呂屋が出来たんだ」
「風呂屋?」
「スーパー銭湯ってやつ。電気風呂とかあんだ。タオルのレンタル料も込みだから手ぶらで行けるんで、たまにな。シャンプーはそこの」
 宗一はシャンプーの香りなど特に気にしたことがなかったので、森永が気付いているとは思いもしなかった。帰宅の自分が早くて森永が遅い、それが分かっている日に寄り道して数種類もある風呂を堪能する。ただそれだけのことだったのだ。
「全然……知りません。大学の近くって?」
「駅と反対方向だからな」
「それくらいのこと、なんで教えてくれなかったんですか?てか、俺も一緒に行きたい!」
 森永の反応は、風呂屋のオープンを知ったときに宗一が予想した通りだ。これが分かっていたからこそ黙って通っていたのである。
「だから嫌だったんだろ、おまえと風呂なんか行けるか!大体ホモが男風呂入ったら犯罪みてーなもんじゃねぇか!」
「ひどい!偏見です!」
「うるせー法が許しても俺が許さん!」
 すっかり涙の止まった森永はばつが悪くなり俯いた。確信していたはずの裏切りが思い込みと早とちりに分解されていく。それでも食い下がるように呟いたのは、行為の言い訳に過ぎないと自分でも分かっていた。
「それに最近触らせてくれなかったし……」
これも浮気の兆候TOP10に入っていた。だが冷静に考えるほど自分たちに当てはめることができない。
「おまえの最近は直近すぎんだよ。一ヶ月くらい前にもヤっ…たばっかりだろ」
「一ヶ月じゃないですよぅ、もう5週間空いてますもん。その前は大体3週間くらいでさせてくれたのに」
「………」
 それは宗一にとってみれば誤差の範疇だ。だがそこを突き詰めてもあまり意味がない。とにかく森永から切迫した色が無くなったのに安堵し、身を起こそうとして、宗一は縛られているのを思い出した。

「もういいだろ、これほどけよ」
 森永に見えるように身体を傾け、顎で背後を示してみせる。手首はぎっちりと戒められたままだった。
「うわ、ごめんなさい!」
 森永は一気に青ざめた。自分の所業が今になって頭に追いついてきたらしい。覚束ない手つきでネクタイを解き、宗一が起き上がるのに手を貸した。
「ったく無茶しやがって」
 カットソーを引っ張り下ろして前を隠し、ぶつぶつ言いながら腕をさする宗一は痣だらけだ。手首の緊縛痕に加え、左肩に歯形、右肩と両膝には青痣、宗一には見えなかったが額と肩甲骨も赤くなっていた。
「すみません……」
「とにかく分かったろ。浮気なんてするかよ、めんどくせー」
「え」
 それはおよそ甘さというものはない、ただのぼやきのようなセリフだったが、森永を赤面させるに十分だった。自分でそれを責めておいてなんだが、森永は宗一が浮気という言い方を認めてくれるとは思っていなかった。なぜならそれは森永を本命だと言うのと同じことであるわけで。そんなふうにまで言ってくれているというのに、森永のしたことといえば疑って決めつけて、話を聞こうともせず一方的に暴力を振るったのだ。

「ほんとに……ごめんなさい……」
 あまりの申し訳なさに力が抜け、森永はずるずるとその場に身を伏せた。土下座したところで時間は戻らない。だが宗一は淡々と衣服を整えて立ち上がった。
「痣がすっかり消えるまでおまえは奴隷な。とりあえずビール」
「え……こんな時間から飲むんですか……?」
 時刻は夕方というにもまだはやい。おずおずと身体を起こして上目を遣った森永を、宗一はじろりと睨めつけた。
「なんだ文句あんのか」
「まさか!ありません」
 慌てて姿勢を正し立ち上がった森永は、リビングに向かう宗一の後を追った。
「ツマミはあたりめな」
「えっ…と今切らしてて、チー鱈ならあるんですけど」
「あたりめが食いたい。あー擦れたところが痛いなっと」
 宗一はこれ見よがしに手首に息を吹きかけた。しかしその帯状に走る赤紫色を前にして、森永に不満のあろうはずがない。
「あの、じゃあ夕飯の買い物ついでに今から行ってくるのでいいですか?とりあえずチー鱈で」
「仕方ねぇな。勘弁してやる」
「夕飯には焼き鳥つけましょうか。豚汁と」
「揚げ出し豆腐」
「揚げ出し豆腐ね。他には?」
「ビール。ちゃんとしたヤツ」
「プレモルですか?エビスですか?」
「両方。奢りな」
「もちろん」

 宗一はまとわりつく森永をそのままに、リビングを横切ってソファに直行した。身体を沈ませて足を組むと、目を赤くした大男が片膝を座面に乗せて覆い被さってくる。首の後ろに回った手が、乱れた髪の結び目をほどき、手櫛で丁寧にもつれを直す。

シキコマタ3

「あといつものシャンプーのミニボトル買ってきますから、銭湯行くとき持ってって下さいよ。先輩はやっぱシャンパンブーケの香りでなくっちゃ」
「……考えとく」
「うん……ありがと、先輩」
 森永は両手で耳の下をすくうようにして、宗一にキスをした。先ほどは嫉妬に眩んで目を合わせることさえできなかった。こつ、と額を合わせて瞳を覗き込む。厳しいくらい真っ直ぐな視線。嘘を吐けるひとじゃないことくらい、知っていたはずなのに。
「信用しろって」
「うん……」
 もう一度、と近付けた唇はかわされた。なだらかな頬は微かに赤い。
「早く行けよ」
「はーい」
 ぶっきらぼうに言われても、もう不安は感じない。森永は微笑むと、着替えるために、足取り軽くリビングを出た。


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